映画『れいこいるか』
映画『れいこいるか』
監督:いまおかしんじ
出演:武田暁、河屋秀俊、他
阪神淡路大震災の起きた瞬間、旦那はずっと待っていて、妻は浮気の真っ最中。
それからの23年間の、2人の生活を追う。
凄く低予算感は否めない。
大きなアクションが起きるわけでもない。
けど、生活って、映画に落とし込めたらそうなのよね、きっと。
ただ、妻には娘の後悔と負い目がずっとあって。
彼氏彼女とは違う。
狭い同じ生活範囲で住んでるものだから、離婚した後もなんとなく再会が続く。
元さやに戻る、とかそんな話ではない。
お互いそれぞれの時間が過ぎている。
年が過ぎている。
ただ、2人には、今はいない娘がいた。
だからずっと、縁が切れず、会えば話せた。
そういう巡り合わせが、リアルなようで映画的で、素敵。
関西の言葉を使っての題名。
いるか?、居ますか?
でも最初に、ちゃんと、ふざけながら示されていた。
いるの?いらないの?、
必要なの?必要じゃないの?
提示されてからずっと、頭の片隅に置かれて話しが進み、ふとした時に問われる。
時間はギュンと吹っ飛ばす。笑)
盲目になってからわりとすぐに目が見えるようにシーンが変わった時は、さすがに混乱した。
でも、それはそれで、こちらが想像して補完すればなんてことないこと。
人生いつだって何が起こるかわからないし。
久々に会った人が大変身してたって、私が知らないところで何かがあっただけ。
最後の、酔った勢いの流れは、大人だからあることだし、2人だから、元夫婦で元母親であり父親だから、、、。
元妻の明るく身近な人なら誰もが惹かれてしまう性格と裏腹に、溢れる感情は、映画じゃないと覗けない瞬間。
やっと、やっと時間を進めることが出来るんだろうな。
突拍子もなく飛び出す“ウルトラマン“男性は、、
ウザくも(笑)、キーポイントにいてくれる”変わらない“存在。
でもラストカットの広場にいるドーンと建つアレ。
きっと地元民なら、もっと掬い取れるものがあったのかもしれない。
私は、まず知ることが出来た。
阪神淡路大震災から時間は経てど、当時の再現ではなく、今はこうして、時間経過を描き、映画が生まれてくるんだね。
ね、時間は経ってるんだよ、
と前を向かせてくれるものでもあり、
忘れてはならないこと同時に刺された。
舞台役者で今回、映画初主演の武田暁さん。
こうして舞台も映画も、行って、来て、そうやって作品の中の層がより厚くなるといいな。
どうしたって歳は取らないけど、その存在と役には必須だったエロさが説得力ありあり。
素敵だったなあ。
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