小松台東『てげ最低な男へ』
先日、の競泳水着に続いて。
小松台東『てげ最低な男へ』
…なんでか、こちらも“2番目”の女(の子)が主人公だとかで…つい。←
競泳水着も、ひと足お先に観せて頂いた映画『男の優しさは全部下心なんですって』も、男運の悪い女性たちが主人公、という。
今までは”2番目“の女は物語でも1番にはなれなかったのに…時代は変わりましたねと、私まで嬉しくなったし過去の私に教えてあげたい。謎)
小松台東の“てげ最低な男”たちは、思ってたのとは少し違うタイプだった。
女の思う(または経験済みの)最低な男を物語で描くとちょっと違う。
私は女なので、勿論そちらの方が共感しやすいのだけど。
こちら、本当に個性溢れる最低な男ばかりで。爆)
違う角度からの、主人公の男運のなさに心で涙を流したよ。。笑)
出てくる男がことごとく別種類の最低さを持ち合わせていて、しかも面白いもんだから、ため息つきながら笑ってた…。
2部構成で、2007年、高校生時と。
2021年、大人の今を描いてた。
実年齢で言えば私と変わらない主人公。
演じた小園茉奈さんは、なんで私と知り合いなのか疑問に思うほど繊細で、目を惹いて。。←
前半は女子校生にしか見えなかったし、お母さんとの関係も成立してるの凄くないか。
彼女は、昔から今もある悪い状況から脱出として、“結婚(恋人)”を選択した。
観終えた直後は正直、ちょっと引っかかってて。
「結婚は女の逃げ道」なんて昭和から聞いてるし、え、それを現代でも…?
相手がいないと解決できない方法が、少し寂しかった。
これが田舎の呪い的要素として選んで描かれてるなら、それはそれでゾッとする。笑)
けれど。
最後の最後に、お世話になった叔父さんへ放つ言葉が、強くて。
理論もくそもない、けれど、潔い言葉と強さがあった、「私にはこうでしか出来ないから」。
正確なセリフは覚えてなくてごめんなさいですが、、これがあったから、私は観て良かったと思えた。
彼女が、自分で選んで掴みに行って脱した。
アナタを頼らずとも、幸せになる。
それが“てげ最低な男”への復讐になったんだよ、きっと。
さすがに、あれだけ色んな男がいる中で全部をぶつけられて…
アノ人が不憫にも思ってしまった…。
確かにラスボス級の裏切りではあったけど。笑)
それまでお世話になった恩や、生活は忘れないって言ってた。
そうであって欲しい。
過去と、起きてしまったあの事とはまた別ではあるから。
女は上書きするんじゃなくて、ちゃんと別ファイルにしまっておけるハズだから。
しかしあれだけの好感度を地の底へ陥れたという…
ひっくり返せたのも、役者の力の説得力があったから。
そしてまた、何故か切なくて情けなくて、どうしようもない気持ちにさせられてしまった。
のが、ニクイよなぁぁ…!悶)
お母さんの、低空飛行で、でも律した態度と歌声も離れない。
嫌いになれない絶妙さが、たまらなくって。。
と、
気づいたらフィクションの世界に どハマりしてた。
エライところへ飛ばされたのでした。
帰りに思わず買ったビールが複雑な味だった。
こんな味も気持ちも、観なかったら体験出来てないものね。
移り行く季節と心情を、光でも誘い、視覚的に十分に説得させ。
導入の音には鳥肌で、目の前がすぐに開けていった。
舞台装置の変化で、まさか冷蔵庫までが変わるだなんて驚愕。爆)
舞台セットと分かってるのに、あのお家に上がりたかった。
まるで映画にしたくなるリアルさがあるけど、最後はやっぱり、劇場でなきゃ味わえない。
脳内が楽しめない。
三鷹の星のホール、本当に素敵な作品ばかりだ。。
久々にこの劇場に来れて、小松台東で来れて良かった。
故郷の言葉が、しいて言うなら福島の南相馬訛りの私だけど特になくって。
小松台東の宮崎弁はずっと憧れで、聞きに行きたくなっちゃうのよね。魅力的。
全編長崎弁だったあの頃を少ーしだけ思い出すなぁ。
絶妙なフィクション、不思議な出来事。
劇場だから。
そういえば緞帳降りたの初めて見たな。笑)
公演は5月30日まで。
無事に千穐楽まで辿り着けますように。
1コメント
2021.05.22 21:41